HOME > 玉崎弘志さんのガーデニング


玉崎●●夏にへたった植物も秋からはブルー系のサルビアなどいい色の花が咲く時季で、関東地方ですと、11月、霜が降る時期まで咲き続けるわけです。ところがそれをずっと咲かせておくと春の球根の植え付けや秋の苗の植え付けの時期が遅れてしまうんです。そこの辺をどうするかということが、特に球根なんかはあまり植え付けが遅くなると翌年にいい花が咲かないケースが出てくるのです。チューリップなんかは12月一杯に植えればなんとか咲きますけれど、スイセンなんかはあまり遅れたりすると球根がうんとやせちゃう。また、来年用の球根を園芸店なんかであまり遅く手に入れると質の悪くなっているものがりますので、早めに手に入れ、仮にポット植えしておくとかして根を出させます。
で、11月、秋の花が終わったら、花壇を一度全部整理して石灰を撒いたり、堆肥を入れたりしてよく耕して、来年の花壇を作るということですね。
星谷●●仮にポット植えした球根を整理した花壇に植えるわけですね。
玉崎●●ひとつのポットに一個植えると場所をとってしまうので、15センチ位のポットに三つくらい植えていくといいですね。
ただ、普通のポットに植えたものはポットの土の高さと地面の土の高さと同じにしますけれど、球根の場合はもうちょっと深く植る。花壇の土を上から3センチから5センチ被せるくらいにします。そうすると、来年の春にはいい花が咲きます。
ある程度冬の間に根が伸びていないと本当に寒い1月、2月に霜柱で持ち上げられて枯れちゃうことがあるんで、ある程度の根を伸ばしてやって植え付け、しっかりと球根が土の中に固定されるようなかたちにした方がいいですね。
星谷●●11月くらいまでが一番いいですか。
玉崎●●本来なら9月中旬から10月中旬くらいに一般の球根を植えるんですけれど、どうしてもまだ咲いているんでね。寒いところだと10月くらいで諦めたり、春植えにしちゃうんですけど、関東地方は暖かいので。雪国とかイギリスみたいに冬の温度が下がってくるところだと冬の間は花そのものを楽しむということはしないで思いきって土作りができる。
星谷●●冬の間を利用してですね。
玉崎●●関東地方はだらだらずうと咲いているんで土がいじれなくなっちゃうわけですね。


星谷●●前回、土の手入れの仕方というか、植物も呼吸していて土は排泄物があるということを教わりまして、今まではチョット肥料を足して植えかえていたプランターも、この頃は土をちょっとしんどいですけれど花壇に捨ててから、新しい土を買ってそれなりに混ぜてやっています。
玉崎●●全部新しい土にするのはなかなか大変なんですけれど、今、そういった土を再利用する実験をしてるんです。生ゴミを腐らせる段階で使い終わったポットの土をいれていくんですね。生ゴミだけだとハエが集ったりしますので、上に被せていくと丁度いい腐り具合になるんです。土の中に菌がいますから菌が分解して適当に水分を吸ってくれて、結構いい土が出来ます。
星谷●●臭いはどうですか。
玉崎●●臭いはしませんよ。醗酵促進剤を撒いて土を被せちゃえば殆ど臭わないですよ。
星谷●●醗酵促進剤というのが必要ですね。
玉崎●●それの方が早く、きれいに分解しますのでね。
星谷●●お天気が良くてペチュニアが長く咲きましたでしょ、それで土を開けてみると細かい根が土の中に入っていて、殆どその土は使っちゃいけないなと思いましたね。そういう利用方法だとまた蘇って使えるわけですね。
玉崎●●その時に残っていた植物の根とかそういう物をバクテリアが分解してまた新しい土を作るためのバクテリアの栄養源になるわけです。
星谷●●それが生ゴミと一緒になって良くなってくるわけですか?
玉崎●●そうですね。そんな方法もあります。


星谷●●最近ちょっと夏の花を一度入れ替えてみたんですけど、植えかえる花はお店に一杯ありますけど、土を入れ替える作業って本当に大変です。土が出来てて花を植えるというのはさほど苦労はないんですけど、土を作るっていう段階はいかに大変かっていうのがわかります。
玉崎●●結局土代が一番高くついちゃうっていうこともあります。大形のコンテナでなさっている方で、まん中に樹木を植えてやったりしているケースもありますよね。そういう場合、土の一部を取り替える方法があるんです。樹木そのものは動かさず、草花類は掘り上げて、土を一部深く切り取って取り除いてやって、その穴に新しい土を加えてやるといいですね。土を取り除く時に樹木の根を少し切り取ってしまうくらいな方が樹木の成長も止って、樹木もしまり、花の咲く物は花は良く咲くようになります。堆肥の醗酵促進剤、土壌改良材を混ぜてやると、土壌の古い死んだ根をバクテリアが食べてくれて、そこに微細な穴が残り、通気や通水をよくする働きをするんです。本来自然界ではそれが出来ているわけです。
あと、同じ植物をずーっと作っているとそれ特有の有害な菌が繁殖しているケースもあるんで、もし同じ土を使うようでしたら、違うタイプの植物を植えると同じ菌が繁殖することも少ない。
星谷●●同じ種類というのはあまり良くないんですね。
玉崎●●そうですね。
で、一般的には、コンテナの土を再利用するにはふるいでふるって古い根っこを捨ててしまったりとか、逆に2ミリ目位のふるいでふるってそれを通る細かいものは捨てて、つぶつぶのはっきりしている物だけを再利用する。
星谷●●土に随分気を入れないとだめですね。どうしても花にばかり気が・・・。
玉崎●●それと園芸用土はたくさんの種類が出ていますが、品質的には物凄くばらつきがあるんです。お米以上にあるんじゃないですか。お米もピンキリで値段も違うじゃないですか。
星谷●●お米はある程度分かりますけれどね。土は分かりずらいですよね。


玉崎●●土は分かりづらいんでね。植物はそれが分かるわけで、人間がそれをなめてみてというわけにはいかないので、そこをいかに見分けるかということが園芸をやるうえで大事な要素になります。それを見分けるコツは細かいほこり状のものが沢山入っている物はダメですね。ある程度握って弾力のあるものがいい。それと良心的な、内容に自信のあるものは、多少高いかも知れませんがパッケージに透明な部分があったりして、みなさんが見れるようにしています。安いのはパッケージだけ派手でいかにもガーデニングという感じのかわいいパッケージになってて、それでしかも安いというので買ってくると、実際にはいい土を造る製造過程に出来たカスみたいなものの場合もあります。
あと、安い物で汚泥を使っている物があります。一般の処理場の物や特殊な業界、例えば製紙工場の物と、汚泥によって違うんですが、一般の汚泥を使っている場合、再度、熱をかけてという製品はそこそこに使える土なんですけど、汚泥ですから重金属とか様々な物が混じっているで、そういうものは野菜とかハーブには使わない方がいいです。
星谷●●でもそれは分からないですね。
玉崎●●汚泥っていうのは見るとすぐに分かります。
星谷●●どういう感じですか。
玉崎●●グレーと茶色の間ぐらいで、丸くぽろぽろしていて、ベースになっているものがピートモスや赤玉、バーミキュライト、パーライトがベースになっています。
星谷●●それは袋に明記してありますね。
玉崎●●必ずしも書いてはありません。それを手のひらで見て鑑別がつくようになると、園芸も上達したっていうことですね。ほこり状のものはダメですね。あと鹿沼土も半分つぶれているようなものはダメです。鹿沼土の地層の上の方はやらかいものですが、掘っていくと粒子のしっかりした固いいい物が出てきます。
星谷●●鹿沼土はプランターに使う時はどのような場合ですか。
玉崎●●鹿沼土は混ぜて使ったりします。鹿沼土単体では腐葉土を混ぜてサツキ用の土とかカボク用の土として使います。この土は酸性がかなり強いのでサツキは酸性の土を好みますのでいいですね。また、ブルーベリーを育てる時もいいですね。
星谷●●プランターでふつうに使う時には使いますか。
玉崎 おまり使わないです。ただ量的に多くなければ酸性も強くならないので、また、石灰を加えて中和して使うというのも多いんですね。土の性質としては非常に団粒でいいんですけど、そういうものを混ぜて園芸用に売られているんです。
星谷●●本当に便利になりました。
玉崎●●ただ質の悪い物だと気をつけないといい結果が出ない。大形のプランターなどで、何年も使うという場合、粒子のしっかりしたものでやっておけば目詰まりも少ないんですけど。
星谷●●土の見方は粒子がしっかりしたという所がポイントですか。
玉崎●●そうですね。
星谷●●土の入った袋の隙間から見るとか。
玉崎●●触ってみてある程度がざがざっていうのがいいですね。ピートモス主体で作っているやつはやらかいですね。ピートモスと牛糞を混ぜて2、3年寝かしたものは非常にいいんだけれど高いんです。その辺の見分け方が少し分かってくるといいんですが。同じお店でピンキリの物があると、特売の安い物はそれなりの物ですね。ただ、一回使って取り替えるようなつもりならそれでいいですね。バーミュキュライトって改良土なんですけど、いい性質なんですけど寿命が短いです。一年も使うとぺちょっと潰れて本来の性質がなくなってしまいますね。ですので、バーミキュライトの入っている物は一年で取り替えることになります。
星谷●●土を研究しなければいけないですね(笑)。
玉崎●●土と肥料ですね。土も本当にいい土を見ますとよだれが出るような物がありますね(笑)。
星谷●●そういう土だと水やりと追肥はそんなに気にしなくてもいいですか。
玉崎●●肥料は別に考えます。要するにいい土なら肥料をやっただけいい効果を発揮します。根の状態があまり良くない時に肥料をやっても吸ってくれない、物によっては樹木が肥料を吸わないうちに水をやるたびに肥料が流れてしまうとか、土が肥料をしっかり貯えておく性質がないとか、その辺を秋のうちに土の見方を心得ていただくといいですね。それと花壇の土作りは、やはり苦土石灰を撒きます。1uに湯飲み茶わん一杯くらいの量で30cmくらいの深さで耕しまして、一週間くらい置いておきます。雨が降らない様でしたら少し水を撒きまして、水に溶けた石灰が土に馴染むようにします。それから肥料とか堆肥を入れていかないとダメなんです。石灰と化成肥料を一緒に撒いてしますとお互いの反応で効力が消えてしまうようなところがあります。
星谷●●一週間は置いておくんですね。
玉崎●●時間的に無理な場合は粉状の石灰がありますから、それを撒いて徐々に反応させていくといいですね。
星谷●●その辺のノウハウが分かってくると、何を植えても失敗がないですね。
玉崎●●関東地方の場合は、11月一杯くらいならば春用の苗を植えつけても大丈夫です。本当に寒くなって、霜柱が上がってくるのは一月半ばくらいからですから、それまでに根が張りますから大丈夫です。ところが関東地方でも山よりのちょっと寒いところですと、11月くらいに植えてしまうと、根がつく前に霜で持ち上げられてしまうんです。
星谷●●春用の苗っていいますと?
玉崎●●ほとんどの植物は春植える分には間違えがないですね。霜が降りる1ヶ月くらい前までに植え付けるんですけど、本当にギリギリになったらマルチングって言いまして、藁の切った物とか、乾いたピートモスとかを敷いてやらないと霜柱で土が持ち上がってしまいますね。
星谷●●この頃の冬は暖かくなりましたでしょう、地球規模で。霜ってあまり見なくなりましたね。
玉崎●●霜で真っ白っていうのがなくなってきましたね。で、霜と霜柱は違いまして、霜は表面が白くなるんですけど、霜柱っていうのは土の中の水分が上がってきて凍ってくるということですね。関東地方って赤土や黒土で、火山灰土って、霜柱が立ちやすいんです。
星谷●●すっかり冬の風景の話になってきましたね。


玉崎●●モネの庭っていうのは、実際には2万uくらいありまして、半分以上がモネが住んでいた家を中心にきれいな花の庭になり、半分が日本でも有名な、モネの絵でもたくさん出てくる太鼓橋のかかった池に柳や睡蓮がたくさん咲いている庭になります。とくに花の庭っていうのはあまり日本では知られていないんですけど、ものすごい広い所にたくさんの花壇に色とりどりの花が一年中咲くようになっているんですけど、その庭を2004年の静岡の花博で再現するんです。
星谷●●それは凄いことですね。
玉崎●●ほぼ同じように造っていくんですが、静岡の浜名湖で開催しますから、潮風、海風がひどいんですね。
星谷●●浜名湖ですか。
玉崎●●ええ、浜名湖の庄内半島っていう所がありまして、そこの埋め立て地を使ってやります。花の美術館っていうテーマで、その中にモネの庭を再現するんですね。
で、去年二度ほどフランスに行きまして、いろいろ調査をしまして設計をしているところで、今はほぼ基本設計は終わっている所で、実際にひとつひとつの花壇に何を何株、何色のチューリップを植えるかっていう風に全部やるわけで、その段階を今やっています。多くの花壇はパターン化されていて、ひとつのパターンがあればそのくり返しでいけるんですけど、モネの花壇はすべての花壇が違うんです。だからひとつひとつ実際に植える植物の品種とか色とか何株とかをやる訳です。花博全体の花の調達係りがいまして、数百万本の花を通し番号で記号化するわけです。花の咲く前にどれがどれって分かりませんから、トータルで数百種類の植物があるわけですからね。
星谷●●大変な作業ですね。
玉崎●●図面に花の名前を書くと同時に通し番号も書かなければいけないんです。しかも、花壇の図面を50cm単位で四角く仕切ってどこに植えるかを全部書かなければいけないんです。花の庭をやるにはA3の図面が50枚いるんです。それもオープン当初、パンジーとスイセンとチューリップとオールフラワーが一面に咲いている状態で、それが4月下旬になりますとそれらの花は終わりますのでその後何を植えるのかというのを書かなければいけないんです。で、ジャマンアリスが咲くんですけど、それが終わるとポピーとバラが咲き始めるんです。夏になるとヒマワリとか夏の植物が咲いて、秋になるとダリアとかアスターとか咲きます。当初の植えつけの後に4回植え付けるわけで、計五回、250枚の図面を書かなければいけないんですね。
星谷●●すごいですね。
玉崎●●CADを使ってやっていますね。
星谷●●そうしますと五回通わないといけないですね。
玉崎●●そうですね。池の庭はそれほど変化しないんですけど、でもモネの絵に出てくる太鼓橋と柳と睡蓮の風景はいつも保っていなければいけないですけどね。
で、そういった中でモネがなぜスイレンの絵を描いたかっていうことを追っかけていかなければいけない。その辺についてはNHKのBSの特別番組でやります。フランスに2度撮影に行っていますのでよく出来ていると思います。なぜモネは睡蓮を描いたのかっていうことについて分かると思います。睡蓮の咲くシーンをスタジオで撮るっていうので家の庭が一杯になるくらい預かり、スタジオに持ち込んだらなかなか咲かないって電話が掛かって来たんですけど、睡蓮っていうのはものすごく敏感で、ちょっと状況が変わったり、光の具合が変わったりすると突然成長を止めたりするんです。
星谷●●繊細なんですね(笑)。
玉崎●●その辺がまた面白いんですね。光に敏感で、光を追い求めた印象派の画家と睡蓮という出逢い。
星谷●●いいですね。
玉崎●●今はそういうお手伝いをしていますね。
星谷●●それは愉しみですね。今日は楽しいお話をありがとうがとうございます。
(聞き手:星谷けい子さん)





星谷●●これから春に向けて何を考えていけばいいんでしょうか。
玉崎●●春の花はだいたい秋に植え込んだ球根が中心になりますね。しかし、秋に出来なかったという場合、春の植え付けになります。本来は秋に春の計画をたてていくんですけど、春からやる人は、球根の場合、すでに植わったものもありますから、そうしたものをうまく使っていくといいですね。あと、樹木の植え変えも2月末から3月の下旬までに行うといいですね。
星谷●●はい。
玉崎●●パンジーなんかは冬の間も咲いていますが、ありとあらゆる花が春には出るわけです。花壇用の低い花でしたらパンジーからスタートして、ワスレナグサとか色のはっきりしたものが出てきますが、ただ平面的で背の低いものばかりだとボリュームがでないので、背の高い物もうまく選んでボリュームをだすといいですね。
星谷●●これからの植えるもののお勧めはなんですか。
玉崎●●これからだと、春の球根類は基本的にいいわけですから、花の色と背の高さを考えバランスよく選ぶといいですね。
デルフィニウムの仲間とか、オダマキの仲間とかルピナスとか、高さが50cmくらいになりますからね。
星谷●●今はお花屋さんに行ってもバラエティーにありますからね。
玉崎●●そうですね。


星谷●●さまざまな肥料が出ていますが、これさえやっておけばいいという肥料はありますでしょうか。
玉崎●●最初の植え付けの時だったら、緩効性の化成肥料を入れておくのが一番無難です。緩効性の化成肥料っていうのはゆっくりと水や植物の根っこの酸で溶けていくわけですから。
星谷●●でも、種類がいろいろありますね。
玉崎●●マグァンプを一般的によく使います。あれをたくさん入れとけばいいです。ただし、上から撒いても効かないんです。水で溶けにくい肥料ですから、上に撒いて水分にあたっても溶けないで、地面のなかに入って、植物の根っこが伸びて、根っこの廃棄物である根酸という酸に溶けてはじめて肥料として効きますから、植物の成長によって根酸の量も増えていき、その量に比例して効くという理想的な肥料です。値段はちょっと高いですけど。
星谷●●でも一番いいわけですね。
玉崎●●今頃やるのは、芽だし肥えってい言いまして、3月ぐらいから根を出してどんどん伸びようとしますから、その時に効くような肥料でないといけない。
星谷●●それは具体的にいいますと。
玉崎●●普通は有機肥料ですと効くまでに1ヶ月以上かかりますから、寒のうちにやるんです。寒肥えって言うんですけど。油かすとか骨粉とかやるんです。寒のうちにやると、ちょうど1ヶ月かかって分解して肥料として効くわけですね。ちょうど芽だしの頃に。2月下旬になると、寒肥えということで、有機肥料をやってもちょっと遅いんです。本当のタイミングで芽だし肥えっていう形になると、2月下旬から3月のはじめくらいに化成肥料をやるとちょうどいいタイミングでいいと思います。
星谷●●肥料もやる時期があるんですね。
玉崎●●難しいです。
星谷●●マグァンプだけやっておけばいいというわけにはいかないんですね。
玉崎●●それをやっていて、1年中効いているんですけど、やっぱり、肥料は切る時は切り、大量にやるときはやるっていうことが必要です。マグァンプは元肥えですから、元肥えだけですとコントロール出来ない。肥料は一年中同じ量を欲しいわけではないから。それをコントロールするには追肥でやる。
星谷●●適当な時期に。


玉崎●●春先、これから球根類が咲きますね。そういう場合は球根類はチッソばっかり入っているものをやると、葉っぱばっかり繁ってよくないんです。ですから、球根類に関してはチッソが入っていない、リン酸とカリだけの肥料がいいんです。
で、よく咲いたのに翌年咲かないっていうことがありますが、葉っぱを切ってしまったり、条件が悪くて葉っぱの成育期間が短かかったりということがありますね。出来るだけ葉っぱの成育期間を長くしてやると、それだけ養分を貯えさせ、球根を太らせることができます。
星谷●●そうですか。
玉崎●●ちょっと見苦しいんで、葉っぱを切っちゃう人がいるんだね。そういう意味では、見苦しくならない球根を選ぶといい。ニホンスイセンっていうのはわりにわーってなちゃうですね。
星谷●●葉っぱがね。
玉崎●●ラッパスイセンなんかは葉っぱは立っていますからね。ニホンスイセンは葉っぱが長くなって、見苦しくなって切っちゃうですね。わりとワイルドなガーデンでしたら放ったらかしでいいんですけど、都会的なきれいになっているところだとそういうタイプは向かないですね。
星谷●●やっぱり植える花の種類も場所によって考えないといけないですね。
玉崎●●そうですね。ユリの球根ですと今から間に合うタイプがいくつかありますね。五月からスカシユリが咲いて、その後にオリエンタル・ハイブリッドといわれているカサブランカとかが咲きますから。ですので、今からでもユリに関しては間に合います。
たまに、チューリップの球根がお店に売れ残りである場合がありますが、それは今から植えても咲きませんから、いくら安くても買わないこと(笑)。
星谷●●ついつい安いとまとめ買いしたくなりますけどね(笑)。
玉崎●●ユリについてはひからびてなければ、今植えても咲きますから。
星谷●●前にアマリリスを植えましたけど。
玉崎●●それも定期的にタイミングを計って肥料をやると太って、よく咲くようになります。
星谷●●アマリリスは育てやすいですね。
玉崎●●あれは丈夫ですね。もともと球根が大きくて貯えていますから。あれは無難ですね。スイセンとユリとアマリリスが一番球根がよく出来てよく咲くというこてですね。あとヒガンバナは秋に咲きますから。で、これからは春植え球根っていうのがありますから、それもこれからが楽しみですね。夏から秋に咲きますから。
星谷●●まず咲いてくれやすい順から植えたいですね。球根でしたら今おしゃった3種類くらいがいいですね。


玉崎●●植物が芽を出して、咲くっていうことは害虫も出てくるっていうことなんです。当然一緒に。植物がなければ、虫も出てこないし、冬など、虫が少ないと植物も花を咲かしても受粉してくれないのであまり咲かないんです。自然っていうのは共生していますから、場合によっては消毒も早めにしなければいけないですね。で、その辺も植物だけでなく昆虫も一緒に活動しています。春先は黄色い花が多いんですけど、ロウバイとかマンサクとかね。春先はどうしても光が少ないので、昆虫なんかもあったかいところあったかいところへと行くんです。で、黄色い花って中はあったかいそうです。光が通過して、実際に温度を計ってみるとあったかいそうです。そうすると黄色だと昆虫がよたよた飛んできて、中に入ってあったかいから元気になって動き回るから自然に受粉ができると、いわれて冬の間は黄色い花が多いといわれていますね。
星谷●●そうですか。
玉崎●●これから、春はいろいろバラエティーな色が出て、梅雨の頃は白い花が出る。
星谷●●色も季節によって変わるんですね。冬の間黄色い花が多いって気が付かなかったですね。
玉崎●●梅雨以降白い花が多くなるのは、夜光虫の昆虫が媒介してくるケースが多くなる。蛾がね。夜の闇の中では白が目立つんです。蛾が媒体になるってけっこうあるんです。ちょうちょばかりでなくって。よく出来ているんです。
星谷●●昆虫と花は切っても切れない仲なんですね。
玉崎●●出来れば全部殺さないで殺虫剤をうまく使い分けるといいんですけどね。一網打尽に殺しちゃうと害虫を食べる虫もいなくなちゃうので、そうすると他の虫が大発生してしまうっていうことがあります。天敵がいないのでね。もうてんとう虫などは活動していますからね。こういう日溜まりのなかだとてんとう虫はどんどん食べていますね。
これからは虫の事も気をつけていかなければいけません。
星谷●●あんまり殺しちゃうといっても、今は殺虫剤の強いのが出ているでしょ。そういう意味では、ちょっと気を使ってやらないといけないんですね。
玉崎●●それには少しでも虫が隠れやすい条件を剪定をしたりして取ってやることです。込み過ぎた枝を間引いてやったりして、花がらなどがそのままになっていると、病気になりますから花がら摘みとかをまめにやった方がいいですね。そうすると花の寿命も長くなりますし。
星谷●●手入れをする意味があるんですね。
玉崎●●どうしても樹木もそうですけど、伸びてくると切るっていうことが中々出来ないです。やっていると分かるんですけど、特に小さな苗を植えられた方なんかは、せっかく大きくなったのを切るのがもったいないから切らないと。草花の苗もそうですけど、一本植えると、放っとくとどんどんまっすぐ上に伸びて、大きな花を一つ咲いて終わっちゃう。早めに途中でピンチっていて、芯を途中で止めてやると、わき枝がいっぱいでて花がたくさん咲くわけです。
星谷●●バラなんかもそうですね。きれいな花が咲くのでよけい切るのがつらいですね。


玉崎●●バラの剪定はまだ間に合いますね。思いっきり切るといいです。
それから、ハンギングバスケットを作る時にもこれから2月下旬に植え込みをしますと、ちょうどいい状態が3月になりますから、その頃から咲かせますと開花時期が長くなりますから。あんまり遅れてからかぶを植えても温度が上がってきて成長が早いから間延びがしてむれちゃうんです。
星谷●●やっぱりハンギングバスケットなどは作る時期は今頃がいいですか。
玉崎●●ただし、ちょっと寒いので日溜まりに置いておいてやるといいですね。
星谷●●苗は未熟のものの方が楽しめますか。
玉崎●●そうですね。小さな苗の法が扱いやすいですね。
星谷●●お店で見ると蕾がまだ硬そうでちょっと避けますが、それは後の楽しみですね。
玉崎●●これから2月下旬から3月のはじめがちょうどいいです。
星谷●●前に大きな鉢の寄せ植えを作りましたが、あれは見事でしたね。あの印象は忘れられないです。つぎからつぎと咲いて。
玉崎●●徐々に変化して。鉢が大きければ長い期間の間咲きます。
星谷●●植えてあるものがどんどん咲いて楽しいですね。
玉崎●●場合によってはたくさんありますから咲き終えたものは切っちゃって取ってもいい。一番簡単に楽しめるのが、大きな鉢に球根類を一番下に入れ、その上に1年草を入れておくと賑やかなものになりますね。


星谷●●これから春先は一番楽しみですね。
玉崎●●そうですね。園芸ファンにとっては一番忙しい時期ですね。秋植えたものがこれから出てきますし、また春植えのものがありますし、虫が出てきますしね。
星谷●●一日手入れだけで終わりますね。
玉崎●●わたしなんかの場合は、今ぐらいの寒いうちは、土作りをやっています。落ち葉を集めて腐葉土を作ったり、今やっておくと五月くらいまでに油かすなどを溜といて出来ますから、それを夏野菜を植える時に使います。夏になるとみなさん野菜を作るんですけど、トマトとかキューリとかナスとか作るんですけど、野菜は大量の土地を使うんです。土代の方が収穫したものより高いんです。
星谷●●土を買うのにも一袋いくらですけど、苗は100円、200円のものなんだけどね。
玉崎●●そうそう。それも悔しいので、腐葉土を作ってね。野菜なんかはそんなに良質土でなくても腐葉土を入れて出来ますから。
星谷●●腐葉土プラス油かすで十分ですか。
玉崎●●そうですね。腐葉土として落ち葉を発酵させる時に油かすを入れちゃんです。そうすると、早く発酵して完熟によくなるので。
星谷●●時々混ぜて。夏くらいに出来るわけですか。
玉崎●●そうですね。ちょうどその頃に大量に必要になりますから、どうしても今ぐらいから準備してね。やっぱりオリジナルのブレンドは楽しくってね(笑)。
星谷●●出来上がった野菜は新鮮でいいですね。自分で植えたものを食べられるわけですから。
玉崎 ちょっとした面積があるとサラダ菜の種を蒔いたり、ねぎの仲間やハーブとかを植えと来ますと楽しめます。
星谷●●役立ちますね。ちょっと必要な時に摘んでくればいいわけですからね。腐葉土から作るっていうのは充実していますね。安心感もありますし。
玉崎●●そうですね。自分とこのものですから土作りをしっかりしておけば安心です。


星谷●●野菜はたくさんの種類があって、きれいなものが多いですね。きれいな野菜は恐いって言われていますからね。
玉崎●●そうとう薬を撒かないとあのようにきれいにならないですからね。
星谷●●そういう意味では、プランターでハーブやちょっとした野菜は出来ますからね。
玉崎●●で、同じものをダーッと作りますと虫って大発生するんです。いろんなものを混ぜて自然な状態の方が虫が大発生することはないんですね。自然状態ですと丸裸になってしまう野原ってないんです。いろんな植物が混じりあっているのでいい意味で全体が虫も含めて共存しています。ですから、いろんな野菜を植えたり、ハーブを植えたりすると被害がすくないです。
星谷●●女性の場合、虫が嫌いで、それがストレスになって手入れをするのが嫌になるってありますからね。
玉崎●●野菜に関しては基本的には毛虫ですね。毛虫の場合は、ちょうちょや蛾が近寄らなければいいわけです。簡単なネットを掛けておくだけで防げるわけです、薬を使いたくなかったら。
星谷●●そうですね。今はネットも売っていますからね。きれいなものには虫が付きますからね。
玉崎●●マグァンプではありませんが、最初から混ぜておくタイプの農薬ってありますが、ああいうのは絶対に野菜には使わない方がいいです。植物が土から吸収して、それを食べたアブラ虫がコロッと死ぬわけですから、植物の中に薬剤が入っているわけですから、それはいいわけはありません。花でしたらいいでしょうけど、ハーブや野菜には非常に便利なんですけど、使わない。
星谷●●野菜やハーブの薬剤と植物の薬剤は別けて使わないといけないですね。
今日は、長い間ありがとうございました。次回、初夏の園芸についてお話をお聞きしたいと思います。(聞き手:星谷けい子さん)


玉崎●●今の時期はやりにくい時期になりますね。6月から7月のはじめまで咲いた花は、一般的には梅雨明けからは暑さもきついので、あまり無理に咲かせようとせず、切り戻しをします。夏の終わりから秋にかけて咲かせるための養生の期間なんですね。夏にずうっと咲かせると秋に咲かなくなちゃう。秋に良い花うぃ咲かせるものがありますので、それに対して今は養生の期間なんですね。
 夏に花をということでは、夏に強い植物がいくつかありますので、それらを使って飾るっていうこともできますね。ただ、夏に強い植物以外は、真夏には色があまりよくなくなるので、秋以降に備えた方がいいですね。
星谷●●夏につよい植物を3つくらいあげますと。
玉崎●●みなさん御存じの、ポーチュラカやケイトウの仲間、それにトレニア。インパチェンスも咲きますけど、秋の方がよく咲きますね。
星谷●●夏は水やりが大変ですね。
玉崎●●そうですね。どうしても間延びがして蒸れてくる。ですので、一般的には夏の間には切り戻してという作業が大事ですね。
星谷●●切り戻しって、おもいっきりに切るっていう感じで。
玉崎●●そうですね。咲いていると中々切りづらいですが。
星谷●●3分の2くらい切り落としますが、これがかわいそうでね。
玉崎●●それで、肥料をやっておくと、株の形もよくなるんですね。どうしてもそのままにしておくと、だれちゃう。
星谷●●ペチュニアを外のバルコニーに植えていまして、ひととおり咲きまして、それを切り戻しをしましたら復活しましたね。
玉崎●●やっぱりよくなりますね。


玉崎●●夏は涼しさを演出するということに気をつかって、水辺の植物を水と組み合わせて、イトススキみたいのものとか、スイレンとかを入れて、水を使った夏だからできる演出がいいですね。そういう楽しみ方がありますね。日本庭園の趣きみたいなもんが出せるし、ガーデニングのよさも出せる。
星谷●●お店ではそういう種類の物は見かけないですね。
玉崎●●それでも最近水辺の植物の人気が出て来て、でるようになりましたね。
星谷●●大きなものですか。
玉崎●●小さいですけど、すぐに大きくなるものが多いですから、それを使うと楽しいですよ。ベランダでも出来ますからね。
星谷●●器がいりますね。
玉崎●●器でまた楽しむっていうのもありますね。大きな入れ物があればそれでいいし、大きな植木鉢があれば、下に栓をすれば水は貯まりますしね。
星谷●●大きな火鉢もいいですね。
玉崎●●いいですね。火鉢にスイレンとかね。スイレンですと葉っぱが大きいのでヒメスイレンというのがありますから、そのほうがいいですね。スイレンとか水の上に浮いているようなものは葉っぱが丸くって、横に広がるので平面的なんですね。ですので、その縁周りにイトススキみたいな縦のラインのものを組み合わせると、バランスがいいですね。
星谷●●ある程度大きな鉢の方が映えますね。
玉崎●●そうですね。大きな入れものの中に小さな水鉢をいれて、その中に水草をいれるというのがいいですね。外側には菖蒲などのイメージの物を植えてやると、水辺の感じが出ます。今ですと、カキツバタの仲間でいろいろなものがありますし、シペラスと言われるものもあります。要するにバランスですね。丸い葉っぱの形と縦にスーッと伸びるシャープなものとの組み合わせです。お互い引き立つと、涼しい形になります。これをうまくやると、夏は楽しいですね。
星谷●●管理は、水を一回張ってから。
玉崎●●二重になっていれば、水鉢の方に水を足してやって、オーバーフローしたものが、周りに侵み込んで、周りの植物が吸い込んでくれる。それで管理は楽ですね。大きな水鉢であれば、そうしょっちゅう水をやることもないしね。一番いいのは、夏、普通の植物だったら、水を一日二回やらなければいけないのを、水の中に入っている植物は水をやらなくてもいいですからね。
星谷●●水が腐ったりってありませんか?
玉崎●●時々差し水をして、オーバーフローさせます。基本的には水をやる必要はありません。非常に楽ですね。
 で、植え込み用の土に少しずつ溶けるような肥料をやっておくといいですね。あまり水に溶け出さないようなものを使います。水に溶け出すような肥料ですと、水の中に肥料が溶けて、それを栄養にしてアオミドロとかがでてきますから。
星谷●●固形のものを?
玉崎●●鉢植えの土の中に埋め込んでしまいます。
星谷●●それでじょじょに溶けるということですね。一度経験してみないと分からないですね。
玉崎●●夏しか楽しめませんからね。というより、夏の楽しみですね。
星谷●●一度もやったことがないので、一度やってみたいですね。大きな火鉢みたいなものに浮かべてね。
玉崎●●もし小さなものであれば、水の入った鉢に水草を入れてその周りにススキのようなものを囲むようにして、ただの水鉢だけじゃなく、池の雰囲気が出せる、水辺ですね。


星谷●●バルコニーとかにもいいですね。
玉崎●●そうですね。組み合わせればいいんですから、30センチくらいの深めの器があれば、そこに水草を、その周りに別の鉢に植え込んだ水辺の植物を植えれば池の雰囲気がでます。非常に涼し気な感じですね。吊りしのぶの風鈴とか、シダなんかはわりと涼し気な感じがするんで、そういったものを組み合わせてね。葉っぱで勝負する。
 それと観葉植物ですね。熱帯のイメージだと暑苦しくなってくるので、観葉植物でもシダの仲間だときれいなものがありますから、さわやかな感じがします。グリーンを中心に涼し気な感じを出す。それが夏の楽しみですね。
星谷●●非常に和風にあいますね。
玉崎●●そうですね。和風でも洋風でも使えますね。
 で、イメージでいろいろあって、シダでプテリスという洋風のシダがあるんですけど、実際は日本の松阪シダであって(笑)。名前に惑わされないようにどういう風に使うかご自分で、和風に使ってみようか、洋風に使ってみようか、素材はどういう風にも扱えるわけで、素材に和風洋風があるわけでない。竹なども涼し気な感じがするので、ちょっとした竹の小さいものを使うとかしてね。
星谷●●今までは花物ばかりにとらわれて来ましたけど、季節の演出ということでイメージを変えてみたいですね。
玉崎●●そうですね。花は楽しいですけど、夏はどんなにがんばってもうまく咲かないんですよ。特にブルー系っていうのは色の発色が悪いですからね。ぼけてしまってきれいなブルーにはならないんです。レッド系の植物でもいいんですが、それにしてもダリアでも、秋からですね。ですので、早めに咲いたダリアは切り戻して、ちょうど夏の間、芽が伸びて、秋からいい花が咲く。出来るだけ夏場は休ましてやった方がいいですね。代わりに緑で楽しむ。
星谷●●休ませて、肥料を与えてやる。
玉崎●●そうですね。
星谷●●夏は夏で、楽しみ方っていうのがありますね。ちょっとまだ挑戦していなかったもので、この夏は挑戦したいですね。
玉崎●●特に日本人って四季の感覚が優れているので、せっかく四季があるので、四季を楽しみたいですね。
星谷●●打ち水をしたり、よしずを掛けたりして、水辺の植物があるというのはいいですね。昔は、そういうことで涼を求めていたんですね。今は和洋折衷になって、そういう趣がなくなって、窓はサッシで、よしずはいらないっていうことですから。


玉崎●●先程の水周りの植物になぜシュっとした葉のものを使うかというと、それらの葉っぱは風で動くんですね。風鈴と同じで、風鈴は風で音がして、音によって風を感じる。それで涼しさを感じる。植物でも、風でスーッと動く葉っぱの物を入れると、非常に風を感じるんで、涼しく感じる。風は見えないものだけど感じることが出来るんで、うまく取り入れて行く。それだけだと野原のようになってしまうので、対称的に全然違うタイプの植物を組み合わせてスーッとした感じを際立たせる方法があります。
星谷●●試してみたいです。
玉崎●●植物材料として、細長い葉っぱのものっていうと、アシとか、ヤクシマススキとか、イトススキとかいった、細くて小さいものをうまく使うといいですね。
 日本の園芸は、夏は夏らしく、冬は冬らしくっていうんですね。 だから、冬は、幹を出来るだけ見せるようにして、幹に陽射しが当たるようにしている。夏は夏らしく、水をうまく演出すます。例えば、庭には、つくばいってありますけど、竹のかけひから水が流れてくるんですけど、夏の場合は、浅いかけひを使い、水が見えるようにし、中にある節にギザギザ状態を作っておき、そこに水がひっかかって波が見えるようにした演出をしている。冬は逆に水は見せないようにして、丸い竹をスポンと切って使うというテクニックがあるんですけどね。そういった日本庭園のテクニックを今のガーデニングにそういう感性で使っていくと面白いものができますね。


玉崎●●秋の準備っていうと、一般的には切り戻しをして、それと、夏の間に病気とか虫とかがひととおり出ますので、その対策ですね。
 梅雨明け、雨が上がって、急に温度が上がって、病気とか虫が出て来ます。特に虫の方ではハダニっていうのが出てきます。ハダニというのは何にでも付くんです。なかなか芋虫、毛虫が食べるように食べあとがないので、気がつかないんですけど、葉っぱの裏から樹液を吸ってしまい、だんだん葉っぱの色が悪くなって、落葉樹から常緑樹まで、特に常緑樹の被害が酷いんですけど、イヌツゲとか葉っぱの裏からいつの間にかに栄養分を吸われてしまってみんな白ぽくなってしまいます。高温乾燥時に出て来ますから、梅雨明けと同時に大繁殖するわけですね。で、水に弱いんで、梅雨の間はあまり出ないですけど、梅雨が明けると大繁殖しますね。ハダニは普通の殺虫剤ではなかなか効かないので、殺ダニ剤っていうダニ専用の薬をかけるんですけど、それがなかなか扱いにくい場合は、水に弱い性質を利用して、朝か夕方に葉っぱの裏から強めに水をかけると被害は減ります。
星谷●●葉っぱの色が変わってきたなと思って来たらすればいいですね。
玉崎●●そうですね。それだけで全然違いますから。それで、落ちたものは上がって来ませんから。高温時に病気になったりしますが、虫を媒介にして病気になる事があります。ですから、夏の間に虫を駆除しておかないといろんな病気が出て来ます。
 例えば、夏、玄関の前のサルスベリの下が真っ黒気になるってよくあるんですけど、家のアプローチが黒く汚れているっていうのは、スス病って病気でね。木の葉っぱが真っ黒けになるんですね。それが、下に落ちて塀などを汚します。特にアブラムシが繁殖して、その排泄物を栄養源にして繁殖するんで、アブラムシを退治しないとスス病は治らない。そういうケースが多く、ですから、殺菌するのはなかなか難しいので、できるだけ虫を寄せつけないとか、病気が出やすい環境を取り除いてやる。それを夏にしっかりやらないと後まで緒を引きますね。切り戻して、根元、株元の通風をよくしてやり、水をやる時に、ハダニを落とすように水をやるとかするといいですね。そういう作業が夏の作業です。
星谷●●どちらかというと夏は植物の状態をみるということですね。
玉崎●●夏の管理さえよければ、秋は気候がいいですから、いろいろな植物にとっていい時期になります。


玉崎●●自動灌水というのがあるんですが、一番簡単なのはペットボトルなんかに特殊なキャップを付けて少しずつ染み込ませていくやり方とか、いろいろなやり方があります。マンションなんかの場合では、ベランダに水道があれば、タイマーを使って灌水やりが出来るんですが、同じ高さの鉢だったら水圧が一定に行くんだけど、高さが違うとうまい具合に行かなくなってしまいます。なかなか良く知っている人は少ないですね。わたしなんかはいろいろんな所に付ける場合、ひとつひとつにコックを付けてやるとかね。水圧調整が出来ます。
 一番無難なのは、ペットボトル入れてというものなんですけど、ただ、陽が長く当っているとお湯になってしまうんですよ。お湯状態ですとまずいですね。
で、底面灌水っていう方法があって、植木鉢の下からひも状のものを出しておいて、そのひも状の先から少しずつ水を吸わす。10センチとか15センチくらいの深さの大きな水を溜めるものの上に板を渡して、それに鉢をのせて鉢の底にひも状のものを下の水源までたらして吸わせる。ひもの太さとかで吸わす量を調整出来ますから、一番無難ですね。理想的な冠水ではないんですけど、一定の水分だけは与えておけるので、乾燥で枯れてしまうことはないですね。一週間くらいは平気です。
星谷●●簡単で、安上がりな感じですね。
玉崎 われわれがベランダに作るのは、70センチくらいの大きなボックスのコンテナを作りまして、下半分にタンクに入れらて、上の30センチくらいに土を入れて、そこに植栽してやる。その下からひもを伝わって水が行くようにしてやる、そういうのを作ったりします。水やりした時は、余った水は下のタンクに行きますしね。
星谷●●根腐れもしませんね。
玉崎●●そうですね。ベランダもべたべたしません。ベランダの楽しみ方も違って来ますね。また、高い位置にありますので、室内から見るとちょうどいい目線になっています。



玉崎●●夏に高原に行きますと、行く時期によって、花の色が変わってくるのが分かります。また、例えば、同じギボウシが、高原に咲いていたとしますと、色の違いがはっきりしますね。気温が低くて、涼しい高原では、紫外線があるといかに色がきれいになるかが分かります。まったく同じサルビアなんかも、ブルー系は特に、同じ植物かと思うくらい違う色ですね。
星谷●●紫外線の影響ですか?
玉崎●●それと気温の低さとかでしょうね。高山の紫外線の強い所ではブルー系では特に発色が違うといわれています。 また、高山では虫が少なく、その虫に認識してもらうために強い色を出しているという説もあります(笑)。  外国に行った場合、春に咲いた花に種が出来ているんですね。その種を貰ってきて、それを蒔くと、ちょうどよく発芽するんです。一番新鮮で、発芽率もいいですからね。外国とかに行った時の楽しみですね(笑)。
星谷●●観光に行ったら下を見て種を見つけてくることですね。今日は有り難うございました。  (聞き手:星谷けい子さん)