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 2012年に三つ星日本料理店に認められた藤沢「幸庵」に行ってきました。
料理長の飯嶋有紀則さんは、滋賀県東近江市にある関西の名料亭「招福楼」に13年の間修行をされ、地元、湘南の地に本物の日本料理を表現したいと店を開かれ、今日まで表現としての食について日々努力をされて来ています。
今日のお料理でも、新鮮で美味しいものをと鮎は御自身で伊豆まで行かれ釣って来たそうで、開きにしての調理でした。また、季節の鱧やお肉も美味しくいただくことができました。
日本料理の楽しみの一つ、器でも使い方にひと工夫され、なるほどと思いながら目を楽しませていただき美味しいお料理をいただきました。

 今日は、その飯嶋有紀則(Iijima Yukinori)さんにお会いしてきました。



◆日本料理をはじめるなら関西へ

●:お店の由来からお話していただけますか?
飯嶋さん:内の両親は藤沢がスタートなんです。美容院をはじめたんです。で、数々出店して行きました。丁度私が生まれる頃です。両親の活動を見ていたんですけど、どうもハサミが僕には合わない、興味が持てなかったんです。そして、高校時代にアルバイトをしまして、そこで料理をする楽しさを知りました。それで、料理人の道にということになりました。で、どうせやるなら関西に行けということ。

●:最初は関西からはじめられたんですか。
飯嶋さん:いえ、はじめは横浜で就職しました。父が勉強家だったんで、どうせやるなら日本料理だったら関西に行ってということで、13年間関西で修行をしました。
それで、父親が還暦のお祝いの前になんとかしようと帰ってきました。僕もスタートするなら藤沢からにしようという気持ちでいました。それで今に至りまして16年になります。

◆ミシュランで三つ星を獲得

●:その後ミシュランの話がありますね。恐れ多いと言う感じですが、お話をしていただけますか。
飯嶋さん:あの時も、突然です。その前に何ヶ月か調査が入っていたんですね。

●:それは分からないんですか。
飯嶋さん:わからないですね。発表のひと月前くらいに、突然来たんです。「私はこういうものです。今まで何回かお料理を調査させていただきました。で、こちらが候補に上がっています」と、それで、発表の日の朝に電話が掛かって来まして、「お宅様は三ツ星です」って言われて、こちらも「ありがとうございます。うれしいです」って言って、会場に行きました。会場では全然様子は分からなかったんですけど、そうしたら、神奈川県でうち一軒だけ、ということが分かり、それでいきなり取材陣が神奈川で唯一ということでドッと来たという感じです。

●:ご両親は嬉しかったでしょうね。
飯嶋さん:その時、親孝行できたなって。それまでこの店を立ち上げることも、また、お客様のこともそうですけど、自分だけでは出来なかった。料理しか知らなかったですから。

●:厳しい世界ですからね、修行は。それこそお店に泊まり込んで朝から晩までという感じなわけでしょう。
飯嶋さん:そうです、そうです。今でしたらお休みという日があるかもしれませんけど、当時はお世話になっている身なので365日、朝起きたら掃除です。家の中の掃除、庭の掃除です。台風の時でも、カッパを来て掃除です。砂利道なんですけど、そこをお箸で摘みながらの掃除です。

●:なかなか包丁を握れませんね。
飯嶋さん:2年半下足番しまして、その合間に、賄いと外掃除をしていました。お客様の料理でなく、漬け物の漬け方、外の仕事ですね、そして調理場の仕事を徐々にですね。

●:実力主義なんですか?
飯嶋さん:今はどうなのかは分かりませんけど、やっぱり料理屋さんの息子さんとかが修行に来られてて、そちらの方のほうが優先されていました。サラブレッドですから。僕はパーマ屋の息子と見られていましたから、なかなか教えてもらえませんでした。でも、その悔しさがあったのでいろいろ勉強をさせて貰いました。
料理もそうですし、室内の装飾もそうですけど、建築、造園、室内装飾、最後に料理というのが料理人の世界です。

◆日本料理の魅力

●:建築から入るんですか。
飯嶋さん:日本建築です。ですから、お寺などを見に行けと、お庭などもそうですね。造園の仕方など、料理の盛り付けと同じなんです。全部通じるということです。

●:すごいですね。時間が掛かりますね。
飯嶋さん:そうですね。休みの度に美術館かお寺に行きました。それは関西の方に行きまして勉強になりました。

●:奥が深いですね。お料理をひとつ出すにも。
飯嶋さん:そうですね。そうすると、料理の旬だけなく、それを彩る器、当たり前のようにこの時期にはこれとか、これとこれを合わせるのはこうした理由があるという具合です。器の質なんかもそうですけど。そこには文化があります。

●:時間を掛けて学ばないといけないわけですね。本物に近づけない。
飯嶋さん:そうですね。

●:今は便利ないい時代になっていますから、これって本物かどうかも分からないものまで出てきちゃうからね。
飯嶋さん:今は調べようと思えばすぐに調べられますからね。僕の時には、そこに行って、例えば器なんかもそうですが、備前焼の特徴とか、信楽焼はどこにあるのか、どういう土で焼くのか、また、掛け軸の歴史とか、そこに足を運んだことによって知れたんで、みんなと違うということがありますね。魚とか、農家さんとか、調べるだけではなく、体験するのがいいんです。お客様が天然のアユを食べたいと、しかし、市場に回っても天然のおいしいアユってないんです。じゃあ釣りをはじめようと、アユ釣りを趣味にしています。また、市場にあるタケノコではダメです。タケノコも朝採ったものって市場にないんです。秋はモミジですね。モミジは富士山まで採りに行きます。それはそれはキレイです。

●:色がね、紅葉の仕方が違うんでしょうね。
飯嶋さん:料理はもちろんそうですけど、食材とかに力を入れます。

●:お使いの器がどれもいいですね。
飯嶋さん:はい、ありがとうございます。

●:本当に藤沢にお店があるということが藤沢の誇りですね。今日はありがとうございました。




日本料理
幸庵
藤沢市鵠沼花沢町2-8 ルート鵠沼1階
Tel.0120-82-6226
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